分子選択的な吸着性と結晶表面の超撥水性を兼ね備えた多孔性配位高分子材料で、水に対する安定性の高い有機溶剤の吸着材を実現できます。
固体の構造内部に細孔を持つものを多孔性(ポーラス)化合物という。多孔性材料は有機物、無機物等様々なものが知られており、近年、新しい多孔性材料として、多孔性配位高分子(porous coordination polymer、PCP)が注目されている。
PCPは、金属イオンと有機配位子から成る材料であり、ガスの貯蔵・分離・触媒等への応用が期待されている。しかしながら、従来のPCPは水に対する安定性が低く、水に接すると分解する傾向があるため、実用化するためには制限があった。
撥水材料、選択的分離吸着材料
本発明は、結晶粒子の外表面に超撥水性を有しており、その細孔内に、水蒸気や二酸化炭素などの気体分子および芳香族系有機溶媒を選択的に吸着することができる多孔性配位高分子である。
本発明者らは、有機配位子として特定の構造を有する芳香環を用いることで、フッ素や長鎖アルキル基を用いることなく超撥水性を有するPCPを製造することに成功した。得られたPCPは、細孔内にベンゼン、トルエンなどの有機溶媒や、二酸化炭素、水蒸気などを選択的に吸着することができる。
Fig. 1:開発したPCP結晶粉末の上に置いた水滴 (接触角152°)
Fig. 2:脱ガス処理後のPCPにおけるベンゼン、トルエン、メチルシクロヘキサンに対する吸着等温線を示す。
発明者 | 京都大学 樋口雅一 ほか |
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