高効率・高力率化を可能とする、 新規なスイッチトリラクタンスモータの構造と制御方法です。
現在、家電や電気自動車などの用途において、その効率の高さから永久磁石モータ(PM) が広く採用されています。一方、PMは原料であるレアアースの産出量が少なく高価であることや、高温に弱いという欠点があることから、レアアースを使わず、構造も単純なスイッチトリラクタンスモータ(SRM) が注目を集めています。しかし、SRMはPMに比べて効率や力率が低いという課題がありました。
発明者らは、レアアースを含まないアルニコ(AlNiCo)磁石を埋め込んだSRM(図1)を用い、モータが回転した状態のままで出力やトルクをコントロールすることを可能にする制御技術を開発しました。これにより、モータの広範な運転範囲(回転数、負荷トルク)において、力率や効率などの性能を用途に応じて最適化することが可能になります。
従来のSRMと同様、ネオジウムなどのレアアースを含まないため、製造コストを抑えることができます。
必要な負荷に応じて、回転中のモータのトルク特性を調整可能なため(図2)、高効率化・高力率化が実現できます。これにより、幅広い用途のモータへの応用が期待されます。
アルニコ磁石は高温に強く、本発明のモータは200℃以上の高温でも動作に影響が出ません。そのため、自動車用途などに適しています。
図1 本発明に用いるSRMの構造(上半分)
図2 負荷トルクに対するモータトルクの変化(シミュレーション結果)
表1 既存技術との比較
開発段階 | シミュレーションにより、本発明の制御方法を用いて、回転中のモータのトルク特性を調整できることを実証済み。 |
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希望の連携 | • 実施許諾契約 • オプション契約 (技術検討のためのF/S) ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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