従来技術よりも忠実に標的タンパク質の局在が観察可能で、無制限に多重染色が可能な超解像度イメージングの方法と、それを実現するプローブを提供します
STORM法やPALM法といった一分子の局在を捉える超解像度顕微鏡法は、光学顕微鏡の理論的な分解能の限界(~200nm)を大きく超えた空間分解能(~20nm)を持ちます。しかし、解像度の向上により、これらの従来方法では標識がまばらで不均一にしかできず、標的タンパク質の分布を忠実に画像化できていないという新たな問題が明らかになりました。一方、光学顕微鏡のイメージングでは、1つの試料中で同時に可視化できる標的タンパク質が2~3種類に限られるという課題がありました。
発明者らは、標的タンパク質へ結合と解離を短時間に繰り返すプローブ(IRISプローブ)を利用し、新たな超高解像度イメージングの手法(IRIS法)を開発しました。
サンプル上で、標的タンパク質に短時間だけ結合する多数のIRISプローブを捉えることにより、標的タンパク質の標識率を高め、精細な画像を得ることができます。
IRISプローブはイメージ取得後に洗い流すことが可能です。さらに、順次別のIRISプローブを使ったイメージ取得とプローブの洗い流しを繰り返すことで、原理的にはプローブの種類数に制限なく、多重染色が可能です。
開発段階 | ・細胞骨格関連のプローブを作製し、超解像度イメージングにおいて多重染色が可能であることを確認しています。 Kiuchi et al., (2015), Nature Methods vol. 12, p743–746 ・任意のタンパク質に対するプローブが作製可能です。 Miyoshi et al., (2021), Cell Reports 34, 108708 |
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希望の連携 | ・実施許諾契約 ・オプション契約 (技術検討のためのF/S) ・MTA (IRISプローブ、エピトープタグ抗体あり) ※ 京都大学が本発明の特許を日本、米国で取得済み |
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