発明情報

卵子の硬さ/柔らかさの「程度」を定量評価する方法

非侵襲的な測定や観察を行った結果に基づいて、卵子の質を正確に評価することができる評価方法を提供します。

背景

ヒトの生殖補助医療の臨床的治療法としては、体外受精や顕微授精があります。このうち顕微授精では胚培養士らの経験則として、卵子の質の良否と卵子の硬さに関連性があることが知られています。従来技術では卵子の質を評価する目的で卵子の硬さや弾性に関連した情報を取得するための侵襲的な手法が幾つか存在しますが、いずれも貴重なサンプルである卵子を損傷してしまうリスクがあります。

発明概要と利点

本技術では、従来の顕微授精操作に変更を加えることなく、目的の卵子の質を非侵襲な方法で、正確に、かつ力学的特性を数値化した指標値に基づいて卵子の質を評価する方法を作り出しました。

具体的には、従来の顕微授精操作である精子を卵子に注入する際の卵子に針を刺す過程において、下記の図のように変形が最も大きくなる瞬間での卵子の縦横比を測定を活用します。

これらの数値を用いることにより、卵子の質を自動的に評価し、評価後の卵子を本来の目的にそのまま利用することができます。

スクリーンショット 2022-01-31 151329.png

  • 胚培養士の技量に依存しない卵子の評価が可能
  • 卵子の質の評価についての信頼性が向上

 医療技術者の経験や技量に依存することなく、数値化した指標に基づいて卵子の質をばらつき無く評価することができ、評価の信頼性向上が見込まれます。

  • 胚培養士の作業負担を軽減

 指標に基づいて自動的に評価された卵子のみを用いて作業できるため、胚培養士の負担を軽減することが期待できます。

開発段階 図1のように測定して算出した指標を用いて、受精成功/失敗の分類を高い水準で推定可能であることを確認済み。
希望の連携 • 実施許諾契約
• オプション契約
(技術検討のためのF/S)
• ソフトウェア

※本発明は京都大学・古賀文敏ウイメンズクリニックなどから特許出願中です。
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