生体情報のセンシングやモニタリングの機器に適した、小型・低消費電力の送信装置です。 国際標準規格のキャリア信号の周波数を使用しながら消費電力を低減できます。
開発の進むウェアラブルデバイス分野では、装着者から計測した生体情報を送信する送信装置について、小型化・軽量化および消費電力の低減が求められます。その解決策の一つとして、キャリア信号を用いて短時間通信を行うことで送信装置の消費電力の低減が期待されています。IEEE 802.15.6 に規定されたウェアラブルデバイス(人体通信)における通信方式の規格では、中心周波数 21 MHz を使用するよう定められています。 21 MHz のキャリア信号生成には大きなサイズのキャリア生成器が必要となるため、キャリア信号での短時間通信による低消費電力化と装置小型化を同時に実現することは不可能と考えられてきました。
発明者らは、生体情報のセンシング・モニタリングに適した小型で低消費電力の送信装置を開発しました。本発明の送信装置は、 GHz 帯の信号を発生させる信号器に 21 MHz のキャリア信号を使用することで、小型化と消費電力を低減できます。 65nm CMOS プロセスで試作した実集積回路で有効性を実証しました。
➢ 小型化・低消費電力化の原理
図1 の回路構成図には、 GHz 帯の信号を発生させる信号器 4 と、生体情報を含む信号により制御する制御回路 3 と、スイッチ回路 5 とが含まれ、制御回路 3 からの信号によりスイッチ回路 5 をオフすることで、コンデンサ 2 の時定数によりキャリアの信号強度包絡線を 21MHz にすることができます(図 3 (b))。本回路は、 GHz 帯の信号を生成する小型な信号器 4 を用いて、 21 MHz の周波数でキャリア信号を発生できるため、ウェアラブルデバイスにおける通信方式の規格 IEEE 802.15.6 に適合した小型・低消費電力な送信装置に最適です。
➢ 生体情報のセンシング・モニタリングに有用
本発明の送信装置中の回路では、入力される電圧に含まれる生体情報の変動に対応した制御信号を利用します。発電時の電圧変動を利用して制御信号が入力されるため、血糖値濃度や照度などのセンシング応用が期待されます (図 2, 3) 。
開発段階 | 実集積回路を作製し、 その効果を確認済み |
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希望の連携 | • 実施許諾契約 • オプション契約 • 試作回路図及びGDS 形式のフォトマスクデータの提供 ※ 用途に応じ分野限定対応可 |
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