肉芽腫形成を抑制する機構を発見し、それを新たな治療薬に活用する技術です。
サルコイドーシスとは、抗原提示細胞により活性化されたT細胞から放出されたサイトカインがマクロファージを刺激した結果、類上皮細胞やリンパ球などの集合(肉芽腫)が様々な臓器にできてしまう難病です(図1)。
肉芽腫が肺にできると肺線維症を引き起こし、眼の場合は失明に至る危険性があります。治療薬としてはステロイド薬や免疫抑制剤が一般的ですが、薬の量を減らすと再発することが多く、より有効な治療薬の開発が望まれています。
また、肉芽腫は病理組織学的に診断されていて、診断が困難であることも1つの課題です。
本発明者らは、肉芽腫に含まれるマクロファージおよびサルコイドーシス患者の血中で、特定の機能に関連する酵素群のレベルが高いことを見出し、これらの酵素を阻害することにより、肉芽腫の形成が抑制されることを見出しました(図2)。
これらの酵素の発現レベルを測定することにより、肉芽腫か否かを容易に判定することが可能になり、これらの酵素の阻害剤が、サルコイドーシスをはじめとした肉芽腫を伴う疾患の新たな治療薬、予防薬となることが期待されています。
➢ 様々な物質、投与方法の阻害薬が検討できます
標的となる酵素の発現や活性を抑えることにより、肉芽種の形成を抑制できます。
➢ 既存の手法で肉芽腫の有無を判定できます
従来の免疫学的手法に基づき血中の酵素レベルを測定することで、体内での肉芽腫の有無が分かります。
開発段階 | マウス生体内での肉芽腫形成阻害効果も確認しており、2023/12/1に論文が公開される予定です。 |
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希望の連携 | • 実施許諾契約 • オプション契約 (技術検討のためのF/S) ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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