発明情報

高感度cAMP蛍光バイオセンサー

単一細胞レベルのcAMP濃度の解析が可能なcAMPバイオセンサーです。

背景

サイクリックAMP(cAMP)は、多様なGタンパク共役受容体(GPCR) の下流でセカンドメッセンジャーとして働き、
様々な生理機能の制御に関わっています。そのため、特定のGPCRを標的として、細胞内のcAMP濃度を調整する物質を探索する創薬スクリーニングが行われています。しかし、現行のcAMP濃度測定法の多くは細胞の溶解が必要で、場所的、空間的分解能がありません。
一方で、cAMP検出用蛍光バイオセンサーを細胞に発現すれば、原理的には場所的、空間的に分解してcAMPの検出が可能ですが、従来のものはcAMPに対する感度が低く、単一細胞レベルでの解析が難しいという課題がありました。

発明概要と利点

本発明は単一細胞レベルでのcAMP濃度の解析を可能とする高感度なcAMP蛍光バイオセンサーです。

本発明の cAMP蛍光バイオセンサーは、 ci r c ul a rl y -permuted GFP(cpGFP)がPRKAR1AタンパクのcAMP結合ドメイン(PKA regulatory subunit)から構成されます(図1)。

単一細胞レベルでの高感度なcAMP濃度の検出が可能になることで、GPCRの活性を制御する物質やcAMPの濃度を調節する物質のスクリーニングが可能です。

➢ 高い感度と広いダイナミックレンジ
従来のcAMP蛍光バイオセンサー(Flamindo2など)よりもcAMPの濃度変化による蛍光変化率が大きく、

高い感度(cAMP親和性はサブµM)かつ広いダイナミックレンジを持ちます。

➢ 簡単にcAMPの定量ができます
単回のイメージング(1時点のスナップショットイメージング)で各細胞のcAMP濃度を定量することが可能です。


➢ 複数タイプのGPCRの活性化を、同一ウェル内で同時に検出することが可能です
1種類の候補化合物に対する複数タイプのGPCRの活性化を同一ウェル内で同時に比較できるため、

標的GPCRを介さない非特異的な影響を除外することで標的GPCRによるcAMP濃度の正確な測定が可能です。

開発段階 ・in vitro/in vivoでの単一細胞でのcAMP濃度の測定を実証
・Dopamine、ACTH受容体による一細胞レベルでのcAMPの濃度変化の測定を実証
希望の連携 • 実施許諾契約
• オプション契約+MTAにおけるサンプル評価
※本発明は京都大学から特許出願中です。
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