ベンダムスチン治療に伴うT細胞の減少を防ぐことで、T細胞よる副作用を抑制できます。
ベンダムスチンはB細胞リンパ種で高い治療効果を示す薬剤として国内外で広く利用されている抗がん剤の一つです。しかし、この薬剤では治療当初から治療終了の数ヶ月後の長期にわたり、CD4陽性T細胞の減少が生じ、日和見感染症への罹患や、コロナウイルス感染症の重篤化のリスクが高くなることが知られています。そのため、T細胞を減少させず、ベンダムスチン治療を行うことが望まれています。
ベンダムスチンは様々な腫瘍壊死受容体のシグナルを修飾する作用を持ちます。発明者 は、腫瘍壊死受容体の一つであるOX40のT細胞生存のためのシグナルがベンダムスチン によって細胞死シグナルに変換されるため、 CD4陽性T細胞の減少が生じることを見出 しました。そこで、ベンダムスチン投与時に抗OX40リガンド(OX40L)抗体により OX40-OX40L間のシグナルを阻害したところ、B細胞リンパ腫への治療効果を落とさず に、T細胞数を維持することが発見されました。
➢ ベンダムスチンによるCD4陽性T細胞の減少を抑制
併用剤として抗OX40L抗体を用いることで、CD4陽性T細胞減少による副作用が抑制されます。
➢ 抗OX40L抗体の安全性
抗OX40L抗体は別疾患での臨床試験が進んでおり、一定程度の安全性が確認されています。
開発段階 | TRL3 (標的同定及び候補薬剤を用いた初歩的な動物試験済) ➢ B細胞リンパ腫マウスモデ ルにおいて、ベンダムス チンと抗OX40L抗体の併 用投与がB細胞リンパ腫に 対する治療効果を落とさ ないまま、T細胞数を維持 することを確認済み (図2) |
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希望の連携 | • 特許実施許諾契約 • オプション契約 • 共同研究契約 (動物評価、メカニズム解明) ※本発明は京都大学から特許 出願中です。 |
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