小型で低価格な赤外分光装置であるため、産業用だけでなく、 一般家庭用、モバイル用の赤外分光装置を実現できます。
従来の赤外分光器のうち、試料を透過した後の光を回折格子により分散させ、各波長を順次検出器で検出する「分散型」では、高分解能の分解装置が必要で装置が高額でした。また、干渉計を使用し、非分散で全波長を同時に検出する「フーリエ変換型」は、装置が大型であるという課題がありました。
本発明者らは、量子もつれ光子対と量子干渉を利用し、可視の光源と検出器で赤外分光ができる小型で低価格の「量子赤外分光」を研究してきました。本発明は、変調部を導入し(図1)、駆動部分をなくすことで、装置のさらなる小型化及び簡略化に成功しました。具体的には、可視の励起光に対し空間的に非一様な位相シフトを加えると二次元アレイセンサ上の可視シグナル光強度に量子干渉による明暗が生じ、赤外分光スペクトルの測定を可能とするものです(図2) 。
1) 可動部品を用いず、量子吸収分光測定が可能
2) 分光器、FTIRを使用せず、低価格でコンパクトな吸収分光測定が可能
図1 本発明の量子赤外分光装置の構成の一例
図2 光強度と波長との関係の一例を示す図
開発段階 | ユニット単位で原理検証まで確認済み |
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希望の連携 | ・実施許諾契約 ・オプション契約 ・共同研究* *京都大学 光量子センシング社会実装コンソーシアム(https://photoniqs.oi.kyoto-u.ac.jp/)へのご参加のご案内なども行っております。 |
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