発明情報

二重特異性抗体の新規製造方法

重鎖と軽鎖の正しいペアリングができる抗原結合分子の開発により、コストを抑えながら高純度のバイスペシフィック抗体が得られます。

背景

 診断用や治療用医薬品に主に用いられるモダリティとして、2種類の異なる個別抗原(または同じ抗原の異なるエピトープ)に同時に結合することが可能な、 IgG型バイスペシフィック抗体(BsAb)が注目されています。
 BsAbは、2つのエピトープに2分子の BsAb が結合し分子間架橋することで巨大複合体が形成されるため、結合能の向上等、従来の抗体では為しえない効果が期待されますが、その一方、2つの結合部位それぞれの重鎖可変領域と軽鎖可変領域を正しく組み合わせて製造する工夫が必要となります。
 これまで、knobs-into-holesやDuobody等のヘテロFc二量体を形成させる技術は開発されていますが、意図する重鎖の組み合わせに対し4通りの軽鎖の組み合わせが生じるため収率が悪く、また分離精製が非常に困難であるという課題がありました。このため、軽鎖問題を解決し高純度のBsAbを得ることを可能にする技術開発が望まれています。

発明概要と利点

 本発明者らは、軽鎖問題を解決しうる、新たな抗原結合分子を開発しました。
 具体的には、IgGのCH1及びCLドメインに構造的に類似し且つ他の部分とのペアリングと交差して邪魔することのない構造をもつ分子として、蛋白質Xを見出しました。これに適切な改変処理を施すことで、本発明の抗原結合するFab様分子を得ました。当該Fab様分子を、BsAbの一方のFabと置換することで、ワンバッチでBsAbを製造することが可能となります。

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開発段階 ⮚ 正しいペアの作製を確認済み
⮚ 当該BsAbの分離精製ができることを確認済み
⮚ 作製したBsAbが2つの抗原に対し結合能を有することを確認済み
⮚ ミスペアリング頻度の評価と最適化検討中
⮚ スケールアップ可能な精製方法を検討予定
希望の連携 • 実施許諾契約
• オプション契約
※本発明は京都大学から特許出願中です。
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