Deep Level Transient Spectroscopy(DLTS)装置にソフトウェアを追加することで、信 号雑音(SN)比が低い環境でも深い準位の分離が可能となりました。
半導体中の深い準位は,半導体物性・デバイス特性を変化させるため,エネルギ ー準位の正確な決定が極めて重要です。深い準位を評価する手法として、過渡容量変化の測定によって,Deep Level Transient Spectroscopy (DLTS) が広く利用されてきました。DLTS にはいくつかの種類が存在しますが,中でも Laplace DLTS (LDLTS) は,近い時定数を持つ複数の準位を分離して評価するのに優れています。しかし,高い時定数分解能を得るために必要なSN比が大きい課題がありました。
本発明は、複数の深い準位を分離して評価するために必要なSN比の低減を目指し,過渡容量解析に統計学上の新たな推定法を適用しました。
・図1に示すように、LDLTSと比較して100分の1以下のSN比で深い準位を分離することができ、近い時定数を持つ準位の分離評価に有効であります。
・DLTS装置で取得可能な容量変化の出力データをソフトウェアでデータ処理するので、既存のハードウェア構成を変えることはありません。
・ソフトウェア追加による測定時間は数分以内と高速です。
図1 従来法のLDLTSと本発明との深い準位の分解能の比較
開発段階 | シミュレーション段階で効果を確認済 |
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発表状況 | DLTS装置全般 |
希望の連携 | ・実施許諾契約 ・オプション契約 (技術検討のためのF/S) ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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