バイサルファイトを用いるDNAメチル化解析において、バイサルファイト処理 後のPCR増幅可能なDNA試料の収量を増加させる新たな方法を確立した。
DNAのメチル化はエピジェネティック機構の一つであり、胚発生、細胞分化、表現型の差異、様々な疾病などと深く関わっている。現在、DNAメチル化解析のための様々な方法が開発されている中で、特定ゲノム領域のDNAメチル化解析法としてバイサルファイト処理を用いる方法が多用されている。この一つにRRBS(Reduced Representation Bisulfite Sequencing)法があり、メチル化をシングルセルレベルで調べることができる。しかし、シングルセル由来のDNAなどの微量試料のDNAメチル化解析を行う際、バイサルファイト処理によって、DNA試料が断片化し、次工程であるPCR増幅のための十分な量のDNAが供給されないという問題があった。
本発明者らは、バイサルファイト処理によって生じるDNA試料の損失を抑制するために、バイサルファイト処理後のDNA試料を一本鎖DNAリガーゼで処理することで、断片化したDNA試料を連結しPCR増幅のための十分な量のDNAを供給できるようになることを発見した。断片化したDNAをレスキューする反応は以下の手順で行う。
1. ビーズへの固定化
2. ホスファターゼ反応
3. キナーゼ反応
4. 1本鎖DNAリガーゼ反応
開発段階 | 本発明のレスキュー方法を用いることにより、バイサルファイト処理後のPCR増幅可能なDNA試料の収量増加を確認済み。 |
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特許情報 |
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希望の連携 | • 実施許諾契約 • オプション契約(技術検討のためのF/S) ※本発明は京都大学から特許出願中です。 |
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